分類:スイレン科ハス属の多年生植物。ハスは高温性の作物であり、泥の中を伸びる地下茎の肥大したものがレンコンです。
別名:「はねす」、「はちす」
原産地:インド、エジプト、中国、オーストラリアなど諸説あります。
日本の主な産地:茨城、徳島、愛知、山口、佐賀、新潟

🌱日本への渡来時期
日本のハスはインド系のもので仏教伝来とともに中国から渡来し、レンコンを食用として栽培するようになったのは江戸時代中期といわれています。

🌱好条件な生産地
比較的暖かい地域の泥地で栽培され、露地栽培のレンコンは秋から春先にかけて収穫されます。2018年の全国の収穫量は61,500トンでそのうち茨城県が29,500の収穫量を占め、全国1位です。県南の霞ヶ浦を中心に栽培されています。

🌱構成と栄養
レンコンは可食部の8085%が水分で、次にデンプンが多いです。デンプンは人間の体内で分解されブドウ糖になり、ブトウ糖は生命活動のエネルギー源となります。他にも有用な腸内細菌の増殖を助けるオリゴ糖や食物繊維が含まれ、ビタミンC、カリウムも豊富です。

🌱品種ごとの特徴
ハスの品種は在来種群と中国種群に分けられ、さらに在来種群は「朝鮮」、「上総」などの在来種A群と、「愛知」、「戸倉」などの在来種B群に分けられます。「中国白花」、「備中」のような中国種群品種は、生の肉質の歯ごたえが良いですが、よく煮ると粉質でもろく、淡白な味です。在来種B群品種の肉質部は薄く、生でも弾力性があり、よく煮ると粘質で味は良好です。在来種A群はそれらの中間の形質をもちます。「湖北の光」、「あじよし」などの早生品種は8月下旬から10月下旬頃が収穫期で、「寿」、「霞ヶ浦」などの 中晩生品種は10月以降から5月末まで収穫されます。レンコンは市販する場合にも品種別には販売されておらず、単にレンコンとして販売されているため、品種ごとに加工特性・用途は限定されていません。

🌱部位別のおすすめ料理
レンコンは第1節が最も新しくできた肥大茎で、肉質が最も柔らかく、第2節、第3節と古い節になるにつれて硬くなり、水分含量、糖含量が低くなり、デンプン含量が高くなります。節別におすすめの食べ方があり、第1節は酢バス、サラダ、梅酢漬けなど、第2節は天ぷら、はさみ揚げ、まぜご飯に、第3節はハンバーグ、きんぴら、レンコンチップなどに利用すると美味しく食べられるそうです。また、レンコンの通気孔は「先を見通せる」ということから、昔から縁起の良い野菜として、お節料理などの祝い事に利用されてきました。中国では「レンコン入りチャーハン」「レンコンと鶏肉の炒め物」などの料理があり、また、昔からハスの実を砂糖漬けにして食べる習慣があります。インドでは古来、ハスは観賞用植物として利用されてきました。栽培されているハスは日本のより細めで、「レンコン入りカレー」、「レンコンのピラフ」などの料理があります。

レンコンの部位(画像):https://ameblo.jp/umaimondokoro-ibaraki/entry-10752600201.html

参考文献:
地域食材大百科 第2巻 野菜
農林水産省 作物統計 平成29年産都道府県別の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量 レンコン