分類:アブラナ科アブラナ属
原産地:地中海沿岸
(白菜の祖先「Brassica campestris」の一部はロシア・モンゴルなどの北域やシルクロードを経由し、中国に伝来して多様な文化を遂げたことから、中国のみを原産地とする説もあります。)
日本の主な産地:長野、茨城、愛知

🌱白菜の構成・効果
白菜は外葉・結球葉・根から成り立っています。根はほとんど利用価値がなく、外葉は肥料・堆肥として利用され、結球葉は鍋物、煮物、そして大部分を漬物として利用されています。形態は結球性・半結球性・不結球性に分けられており、結球性には上部の葉が重ならない抱合型と、葉が重なる包皮型があります。また、大部分が水でできており、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンなどを含んでいます。微力ながら消炎作用があり、血圧の高い人、胃部の出ている人、のぼせやすい人の腸管の働きを助け、代謝を促進します。

🌱茨城の白菜
2015年の収穫量の割合の約50%を茨城と長野が占めています。茨城県の2017年産秋冬白菜の作付面積は2,720ヘクタール、収穫量は191,200トン、出荷量は178,600トンで全国1位です。その中でも、県西地域にある八千代町は、1966年に白菜の指定産地となって以来、今や作付面積879ヘクタール、出荷量61,200トンの日本一の白菜産地となっています。八千代町の気候が白菜栽培に適しており、霜が降りる時季には、葉に蓄えられた養分が糖化してやわらかく甘味のある白菜が収穫できるのが特徴です。

🌱栽培の好条件
適温は生育前半の外葉発育期が約20℃、生育後半の結球期が1516℃です。土壌は火山灰土、壌土(粘土が2537.5%含まれる土壌)、埴壌土(粘土が37.550%含まれる土壌)での栽培が多いです。また、根の張る範囲が広く、直播の場合で直径140㎝、深さが180㎝くらいなので、通気性、透水性がよく有機物の豊富な、耕土の深い土壌が適しています。
作型は、春夏秋冬でそれぞれ異なります。
春:育苗栽培(トンネル~露地)、直播栽培(露地)
夏:高冷地(早どり)、平地、寒高冷地(普通栽培)
秋:は寒高冷地(遅どり)、平地(早どり)、平地(普通栽培)
冬:暖地冬どり、囲い

🌱白菜の活用
白菜はその淡白な味から様々な料理に活用されています。部位ごとに火の通りが違うため葉部はおひたしや包みもの、軸部は炒め物、煮込み、漬物などに利用するのが良いとされます。また、白菜は葉がしっかりと巻いており、ずっしりと重く胴に締まりがあるもの、外葉は緑色が濃く、黄ばんでいないものを選ぶとよいです。白菜はどんな料理にも妙味を発揮する素晴らしい脇役なのです。

参考文献:
・『地域食材大百科 第2巻 野菜』2010年発行
・『サラダ野菜の植物史』2004年発行
・『花図鑑 野菜』1996年発行
・農林水産省 作物統計 平成29年産秋冬野菜の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量 秋冬はくさい
・茨城新聞 ディスカバーいばらきふるさと魅力再発見茨城新聞(20171128日)